1. |
アンケートの回収率は100%(90名 うち無効回答1名)、1件の回答所要時間は約7分であった。 |
2. |
患者背景 |
(ア) |
有効回答者総数は89名で、うち男性31名、女性58名であった。 |
(イ) |
調査時の年齢は60才代が32名(36%)と最も多く、70才代が19名(21%)、50才代が22名(25%)と、50-80才を中心に分布し、50才未満が14名(16%)、80才以上が2名(2%)であった。 |
2. |
治療中断率 |
(ア) |
過去における治療中断率は26%(90名中23名 女性1名無回答)であった。(図1) |
(イ) |
女性の治療中断率は20%(30名中6名)、男性は29%(59名中17名)であった。 |
(ウ) |
治療中断率の調査時年齢別では、80才以上が50%(2名中1名)70才〜79才が16%(19名中3名)60〜69才が22%(32名中7名)50〜59才が38%(22名中6名)40〜49才が38%(8名中3名)30〜39才が50%(4名中2名)30才未満が50%(2名中1名)であった。 |
(エ) |
最初に治療を中断した時期は、初診から6ヶ月以内が8名(35%)、6〜12ヶ月が8名(35%)、12ヶ月以上が7名(30%)で3分された。(図2) |
(オ) |
治療を中断した回数は、1回が8名(35%)、2回が7名(30%)、3回以上が8名(35%)で3分された。(図3) |
(カ) |
最初に治療を中断した期間は6ヶ月以内が10名(43%)、6〜12ヶ月が3名(13%)、12ヶ月以上が10名(43%)であった。(図4) |
3. |
治療中断時の職業については、サラリーマンと専門職が合計で12名(52%)であった。サラリーマンと専門職の合計は非中断群の調査時26%、中断群の調査時35%より高かった。 |
4. |
通院所要時間については、中断群の治療中断時、中断群の調査時、非中断群の調査時において差がなかった。しかしながら、“診療時間に合わせて通院するのに無理があったか?”との質問に対し、“無理があった。”と答えた者の割合は中断群の治療中断時14名(61%)であり、中断群の調査時8名(35%)、非中断群の調査時30%より高かった。 |
5. |
治療中断時の治療法は、薬剤を用いない治療が13名、内服薬治療が7名、インスリン治療が3名であった。 |
6. |
治療を中断した理由(複数回答)は、23名中、仕事が忙しくて通院できなかったが9名(39%)、自覚症状がないため通院する気持ちになれなかったが7名(30%)、一度通院が途切れたときに次に受診しづらくなったが7名(30%)、待ち時間が長かったが6名(26%)などであった。(図5) |
7. |
再受診した契機(複数回答)は、23名中、自分で再び治療が必要だと思ったが10名(43%)、糖尿病の症状が現れたが8名(35%)、他の疾患で通院していた医療機関から受診をすすめられたが6名(26%)、健康診断で指摘されたが6名(26%)、家族に受診をすすめられた5名(22%)、以前糖尿病で通院していた医療機関から受診を促されたが5名(22%)であった。(図6) |
8. |
現在の医療機関を初診したときのHbA1cを比較してみると、中断群の74%が8%以上とコントロール不良であったが、非中断群では35%であった。 |